itomaのブログ

病気と戦って26年?、肝硬変と二度の肺癌からの生還

癌患者3年後の生存率

国立がん研究センターが診断されてから3年後の生存率71.3%と発表した。すべての癌を対象にしてかつステージに関係ない数字なのであまり参考にはならないが、少なくとも癌患者の生存率が向上していることぐらいは分かる。癌を二度患った私の経験を通して20年前と現在について感想めいたことを書いてみたい。

私が最初の癌を患ったのは今からおよそ20年前のことであった。職場の検診がきっかけであった。その段階で、癌の可能性を示唆されたわけではないが、数年前に私が親しくしている方が肺癌で亡くなられたので、気になって国立がんセンターに行って精密検査をしてもらった。ほんの些細なことが気になったのが幸いし、初期の肺腺癌だと判明した。当初は検査入院ですと言われて3、4日入院するように言われた。おそらくこの時点で病院側は私が肺腺癌であるとは分かっていたのだと思われるが、診断を確定するために入院させたものだと後になって分かった。

当然、私はまだその時には癌だとは思っていなかった。そして、退院して数日後カミさんも一緒に病院に来るよう連絡があった。さすがにこの時にはいくら鈍感な私でも癌の宣告を受けるのだと思った。すると、確か5、6人の医者に囲まれるようにして担当医から初期の肺腺癌だとの説明があった。医者の中には麻酔医も含まれていた。当初、肺の三分の一を切除するとの説明であったが、私が肝臓が悪く、そうした手術をすると確実に肝不全を起こすことが判明すると、次に提案されたのが胸腔鏡手術であった。当時はまだあまり知られていなかったこともあり、やはり丁寧な説明がなされたが、懸念されることは小さな穴を開けて患部だけを除去するため、再発の危険性が高いということであった。

しかし、私にはその方法を受け入れるしか助かる道がないと思い、その術式を承諾した。手術当日、麻酔をされる前にひょっとしたらそのまま目が覚めないのでは、ということが頭の隅を横切ったが、それは懸念にすぎず、まもなくして目がさめるとカミさんが私を覗き込んでいた。それから、再発の危険性があるので、頻繁にガンセンターに通い、7年ぐらい通ってようやくガンセンターから解放された。

ところがそのガンセンターにもう一度通う羽目になるとはその時点では想像だにしなかった。その顛末については次回に書くことにする。