もちろん、優先席でも空いていれば、座っていいのだが、高齢者が近づいてくるとそっと立ち上がるのが美しい姿だと思う。以前、若者が座っていて高齢者がさも自分の席であるかのように、譲れと言って、譲らない、譲れ、で口論になってその動画が公開され、さてどちらが悪いかという議論になったことがある。私から見れば、どっちもどっちもいう風にしか見えないのだが。高齢者のさも自分の席で既得権があるような言い方にももんだいがあるし、その物言いに腹を立てた若者が席を譲らないというのも問題である。

以前にここでも書いたかもしれないが、一時期足腰を痛めて、なるべく外出を控えていたが、どうしても出かけなければならない用事があり、杖をついて電車に乗った。席を譲られるのもどうかと思い、優先席には近づかなかったが、その時乗り換えで乗った電車で譲ってくれたのは中高年の男性のみであった。私が立っていた前の席には若い女性もいたが、そうした時、少し離れたところから、座りませんかと声をかけていただいたのはきまって中高年の男性であった。これが一回や二回であれば、別に驚きもしないが、計6回ほど続けば、偶然でもない。

中高年男性の心の暖かさに感動し、私もそうした機会があれば、積極的に席を譲るようにしている。